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K-izm

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ここに油の染み込んだ一枚の布がある。

その香りは動物性のような物に似ておりミンクオイルと似たような強い匂いが染み込んだ布である。

写真中央にその油が多く染み込んでいる。

この布の持ち主が数々の和竿を手入れした時に使ったと思われる布と主に釣りに拘わる事に使われたと思われる切り出し刀、愛煙していた煙草。

記事にする事自体が失礼なのかも知れないが尊敬する先輩が遺した物として紹介するものである。




Kongさんが亡くなりもうすぐ3ヶ月

私など数回の面識しか無く、形見分けなんてしてもらう事さえ甚だしいしKongさんも愛用の道具が私の所にあるなんて許さないでしょうし、私自身も預かりはしたが使う事も出来なければ(道具を活かせない)実際に釣りで使用して紛失でもしたら自分が苦しい。

Kongさんがどれだけ拘りを持って釣りをしていたか私也に少しは知っているしその拘りは私が一生掛けても到達出来ないような拘りの人だった。

何度か釣り場でご一緒させてもらったが拘りの道具だからといって宝物をそれこそ腫れ物に触るように使うのではなく、大胆に豪快に使う。時に壊すまでの荒々しい使い方をして釣りを楽しむ。

しかし帰ってからの手入れは手を抜かないで愛でるように扱う。

それは道具本来のあるべき姿と言うか精一杯使い精一杯大切に手入れする事である。

如何に高価な竿だろうが容赦なく使い道具として本来の性能を発揮させ楽しみ愛でる。

そんな姿を間近で見られた事だけでも私には充分勉強というか教えてもらった。

経験と言うか体験として私が死ぬまで忘れる事もなければ、身を以て教えて頂いた財産である。

これもKongさんと引き合わせて頂いた先輩方に感謝なのである。


先週、Kongさんを偲ぶ会が執り行われ当日集まれた10人程が浅草に集まった。

そこで形見分けって訳ではないがKongさん愛用の品々がお仲間に分けられた。

私なぞは末端の人間ですしお気持ちで浮子の一つでも頂ければ充分だったのであるが、、、

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アメブロ時代のKongさんのブログ記事

現在、Kongさんが今年の5月まで何年にも渡って記した記事は全て削除された。

数年前の年末に私がハゼの焼き干しを作りたい時に手本としてたまたまScrapBookというソフトに残しておいた物が私のPCに入っており懐かしく貴重な記事である。

使い込まれたいなり町東作の緑の手拭い

私の中ではKongさんのイメージカラーであるグリーン

たまたまであるがKongさんのクーラーボックスの中の凍らしたペットボトルにもグリーンのタオルが巻かれていた。

結露した水滴を吸わせる為に使われたと思われるタオルであるがKongさんの几帳面さが伺えた。私なら水滴なぞ気にせずそのまま保冷材なり氷でビショビショになろうがお構い無しのずぼらな性格。

去年の暑い時の釣り場でもKongさんは緑色のTシャツ姿だった。

それだけなのだが私のKongさんのイメージは緑なのである。

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Kongさんの手で研がれた切り出し刀の刃先

刃に指を当てるとカミソリのような感触で引っ掛かる。

Kongさんの記事でも何度か登場していたし研ぐ事に関しても拘り自分で丁寧に研がれていた。

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大納言と入っている。

調べるとこの銘を使う職人と場所がある程度推測出来る。

刃渡りの短い小さな切り出し刀にもKongさんの拘りが垣間見れる。

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握り尻に右と書かれている

利き手が右手用の標準的な物なのであろうか?

左利き用の物には刃が逆になり左の文字が入るのか?


ピルケース状のケースにはシモリ浮子とそれを止める浮子止め(楊枝の先のような物)

浮子止めも几帳面に揃えられ売り物のような状態で保管されていた。

これももしかしたら大納言切り出し刀で削り作ったのではないかと想像してしまう。

ハリス止め、タングステン鋼で作られた錘(これも以前にKongさんのブログで数々登場。別の錘の記事の時にあまり気に入った物ではなかったようなので「少し分けて下さい」とコメントすると軽く断られて凹んだ事も思い出される。)

このケースの中の物は当日居た方々で欲しい人には少しづつ持って帰ってもらった。

正直使う事が出来ないし。

それでも使わないとKongさん怒るだろうな。

私は預かっただけですので当日来る事が出来なくてお渡し出来なかった方にも存分に使用するって人が居ればお渡ししますのでご安心下さい。

浮子や錘は持ってるだけでもお守りではないですがKongさんの空気を感じられると思います。

切り出しの握りなんかはKongさんの手垢というか油分がそのまま残ってまして木肌そのものと違いとても温もりを感じます。

これも私なんかどう使ってよいやらで下手に使って刃でも欠けさせたらどうしようとか思ってしまいます。

Kongさんならきっと思い切り使って刃が欠けたら研げば良いと言うでしょう。

私には研ぐ道具もなければ、技術もありません。

お宝として大切に眺めるか、道具本来の姿としてガンガン使い倒すのか。

持ち主であるKongさんが譲るとしたら後者に譲ると想像してしまいます。


本当にKongさんには色々教わりました。

どれもとても真似出来る事ではなく、課題として胸に刻み精進するだけです。

Kongさんとの最後のやりとりはKongさんが亡くなる少し前にKongさんの母上が亡くなられたブログ記事にお悔やみのコメントをした返事でした。

いまはもうその記事も消滅してしまいましたが、お悔やみの短いコメントに対し長文で私にメッセージを下さいました。

全文は私の中に残っていますがここではその核となる言葉を。

「人生は常に全て戦いである」

母上のお悔やみ中に、頼りない私に激を飛ばしてくれるコメントでした。

男はいつでも闘って生きているって話はどこでもいつでも聞きますし他の人に言われてもピンときません。

Kongさんのお母さんが亡くなった時に頂いた「戦い」という言葉は何よりの私の目標となり永遠のテーマとなった事。

それを教えてくれたKongさんに感謝であります。

Kongさんありがとう。
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by ya-bi-tu | 2012-08-05 03:20 |
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不言実行をモットーに掲げる童心の中年日記


by やびつ
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